第241号:ネジ溝の広さ。

件名 :第241号 :ネジ溝の広さ。
時計修理工房の近藤でございます。

いつもメールマガジンに目を通してくださり、誠にありがとうございます。
今夜のお便りを差し上げます。

お客様、唐突で恐れ入りますが、近頃ネジを回されませんでしたか。
緩んでいる部分を増し締めしたり、ご購入なさった商品を組み立てたりと、状況はさまざまと存じます。
その際、適切な工具で回す場合はスムーズに行えますが、そうでない場合は苦労することもあると存じます。
ネジや、商品に不具合が発生することも考えられますので、作業の際は適切な工具をご使用いただき、
安全第一で取り組んでいただけますと幸いです。

さて本日は、お時計のネジ溝の広さについて、お話をさせていただきます。
ネジ溝とは、ドライバーの先端が収まる部分であり、モデルやブランドにより規格はさまざまでございます。
先日、とあるお客様からお持ち込みをいただいたチューダーのお時計でございますが、ベルトの長さ調整を、
実施しようとした際に、ネジの頭部が潰れてしまったようで、回せない状況に陥ってしまったと、
ご相談をいただきました。

この作業は、ご自身ではなく、腕時計の修理店様で実施されたようですが、ネジの緩みを防止するための、
ロックタイトと呼ばれる液剤が使用されており、緩めるには相当な力を必要とする状態でございました。
最近の腕時計は、このような処理をされていることがほとんどで、回すのに苦労するモデルもございます。
ブレスレットのコマや、ムーブメント(機械)、裏蓋を分解したり、組み上げる際にはネジを回しますが、
溝の幅と、ドライバーの先端の幅がしっかりと適合していませんと、傷が付く恐れがございます。
なぜかと申しますと、ドライバーの先端がネジ頭部の溝にピッタリと密着しない状態で回してしまいますと、
先端の両端しか頭部に接触しませんので、力が1点に集中してしまい、変形、破損を招きます。
最悪の場合、この度ご相談いただきました事例のように、ネジの頭部が破損してしまい、修理を要します。
そのため、作業に当たる技術者は、最新の注意を払って確認し、修理に取り組んでおります。

余談ですが、ロレックスのブレスレットのネジ溝は、他社よりも広く、専用のドライバーが必要です。
固着をしていたり、先ほど申しました薬剤で緩み止めされている場合は、コマに熱を加えて緩和する方法や、
オイルに漬け込んで改善するなどが有効的でございますので、ご案内しております。
今後、ネジが緩まない等でお困りになられた際も、弊社にご相談いただけますと幸いでございます。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。

ネジは、しばらく回さないと固着の原因になりますので、固着事例の多いブレスレットのネジなどは、
定期的に緩めては、締める作業を実施しても良いかと存じます。

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お客様、連休のお出かけ前には、お車のホイールの増し締めや、お持ち物の緩みのチェックをして、
事故なく、怪我なく、お過ごしください。

時計修理工房 近藤

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