お客様、長く所有なさっている製品を、久しぶりにお使いになりましたか。
少しずつ暖かくなり、春の訪れを肌で感じられるようになりました。
日本には四季がございますので、夏と冬ではお召しになるお洋服や、ご使用になる設備も、
まったく異なってくるかと存じます。
しばらくしますと、気温が上がり、場合によりましてはエアコンなどの空調設備が必要になります。
半年以上電源を入れていない場合は、もしかしますと、正常に動作しないことも考えられますので、
どうかお早めに点検を済ませ、必要な時に本領を発揮できるように備えていただきたいと存じます。
先週の日曜日はお部屋のエアコンのフィルター掃除と、試運転をした、修理工房の近藤でございます。
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■本日は、お時計の試運転についてお話をいたします。
お時計は長らく動かさない期間がございますと、正常に動作しなくなる場合がございます。
この原因は、内部で使用されている機械油が固着したり、偏ることにより、
抵抗が増したり、電池の液漏れや腐食などにより、回路が正常に動かなくなってしまうからです。
そのため、機械式のお時計であれば最低でも3週間に1度は、ゼンマイを巻いて動かしていただき、
電池式の場合は電池を切らさないようにするか、電池を外して保管していただきたく存じます。
しばらくご使用なさっていないお時計を再使用する場合は、内部の機械油が変質や減少により、
部品の摩耗や破損が発生する可能性がございますので、メンテナンスをお勧めしております。
※ワインディングマシンでの保管は、油の劣化、部品の摩耗が早まる可能性がございますので、
弊社では、ご使用をお勧めしておりません。
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しばらく保管されていたお時計を試運転する際に、ご確認いただきたい事柄は以下の通りです。
【1】動作の確認
・ムーブメント交換(機械)が正常に動作しているか確認をする。
・秒針がスムーズに動いているか確認をする。
(クォーツの場合は、1秒ごとに動いているか、また機械式の場合は動きが滑らかか。)
【2】時刻合わせ機能
・時針、分針を正常に操作できるか。
・秒針がリセットまたは、止められるか。(リューズを引くと秒針が止まるハック機能は作動するか)
※ハック機能が搭載されていないお時計もございます。
【3】カレンダー機能(ある場合)
・日付、曜日の変更は正しく行えるか。
・日付の送りが、深夜0時付近で正しく切り替わるか。
【4】リューズ操作
・リューズの引き出し、押し込みがスムーズに行えるか。
・各ポジション(手巻き、日付合わせ、時刻合わせ)で正常に操作できるか。
【5】パワーリザーブの確認
・手巻きや自動巻きの巻き上げが正常か。
・最大まで巻き上げた状態からの持続時間はどのくらいあるかを計測して確認する。
【6】その他の機能(モデルにより搭載されている機能)
・クロノグラフのスタート、ストップ、リセットの動作は正常か。
・アラーム、GMT、ムーンフェイズ等の機能の確認。
【7】外装、防水の確認。
・ケース、ブレスレット、ガラスに傷、破損がないか。
・リューズや、裏蓋はしっかり閉まるか。
・防水機能は効いてるか。
(ご希望の場合は、弊社でも検査することが可能でございます)
【8】精度(動作の誤差)のチェック
・1日から数日ご使用いただき、時刻の誤差(遅れ、進み)を確認する。
・機械式の場合は、姿勢差(文字盤が上、文字盤が下、横向きなど)を確認する。
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お時計の仕様に応じて、項目は増減いたしますが、おおよそ以上をお確かめいただきますと、
コンディションを確認できるのではないかと存じます。
また、季節により腕周りが変化しますので、
お時計のベルトを調整なさいますと、快適にお時計をお楽しみいただけます。
弊社は、お時計の検査、修理やメンテナンスのお見積もりは無料で承っておりますので、
ご希望の場合は、お気軽にお申し付けください。
無料の梱包パックに関しては、ご用命から最短で2日でお届けいたします。
以上でございます。
最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。
【近藤のひとこと】
ロレックスの超有名モデル「デイトナ」は、モータースポーツと深い関わりがございます。
名前の由来は、「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」(サーキットの名称)。
1960年代、ロレックスはこのサーキットの公式タイムキーパーとなりました。
また、ロレックスはクロノグラフ(ストップウォッチ機能つき)の時計「デイトナ」を、
レーサーに提供していたのですが、当初はあまり人気がないことから、店頭でもなかなか売れず、
ディスプレイには、試運転のように置かれっぱなしだったようです。
それが、後にポールニューマン(アメリカの伝説的な俳優さん)が愛用していたことが発覚し、
数十年後にはオークションで、20億円以上の値段がついてしまう大逆転劇となりました。
かつて試運転のつもりで作ったモデルが、世界でもっとも高価な腕時計のひとつとなりました。
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人生は、いつもぶっつけ本番のようなところがございますけれども、
最初からうまくいくことは、やっぱり多くないことが近藤にも分かってきました。
もし失敗したら、それは試運転の成果だと考えるのも、よいかもしれません。
時計修理工房 近藤