| 件名 : | 第352号:時計と時間。 |
お客様、「時間が足りない」と思われたことはございませんか。 朝起きてから夜眠りにつくまで、やらなけれならないことに追われて、 気づけば一日が終わってしまった…という経験は、誰しも一度はあろうかと存じます。 1日に24時間もあるのに、忙しい、時間がないと感じるのは、 もしかしたら「足りない」のではなく、「使い方」の問題かもしれません。 「本当にいますぐやるべきことは?」、「これは私がやること?」、と自問自答したり、 タスクの優先順位を整理するだけでも、心に余裕が生まれるかもしれません。 完璧を目指しすぎないこともポイントで、すべて100%でこなそうとすると、時間は足りなく感じます。 時には「80%でも良しとする」くらいの柔軟さが、物事を前に進めるかもしれません。 「あした終わらせる」より「きょう始める」という考えで行動しやすくなった、修理工房の近藤です。 いつもメールマガジンをお受け取りくださり、誠にありがとうございます。 = ■本日は、止まっている腕時計についてお話しをいたします。 お客様のお家には、止まったままの腕時計はございますか。 私の実家には、祖母が使っていた、いわゆる形見のSEIKOの腕時計がございます。 もう動かなくなって、数年の月日が経ちましたが、その丸い文字盤や、針、ケースやベルトを見ていますと、 不思議といろんな光景が浮かんできます。 時計は時間を刻むものですが、時には「記憶を封じ込める器」のような存在にもなり得えます。 この腕時計は、職人の手が空いたとき、もう一度、動作するようにメンテナンスしたいと思っています。 動作が停止してからしばらく経過している腕時計は、裏蓋が固着していたり、機械に錆が発生していたりと、 頻繁に使用していたころよりも、状態が悪くなっていることがございます。 機械内部で使用されている機械油は、ご使用頻度に問わず、劣化や乾燥が進みますから、 停止から5年以上経過している場合は、メンテナンスをおすすめしております。 オーバーホールは、お時計の機械を総分解して、部品一つひとつ丁寧に洗浄し、機械油を差し加えながら組み上げ、 動作を確認しながら、遅れ、進みなどの誤差を調整する作業でございます。 腕時計を製造するメーカーは、機械式は「4年に1度」、電池式は「電池交換3回に1回」の頻度で、 メンテナンスを推奨なさっておりますので、弊社も同様にご案内を差し上げております。 ノーメンテナンスで30年使用したお時計と、5年毎にメンテナンスをして30年使用したお時計では、 内部機械の摩耗など、部品の状態には差が見受けられ、動作の精度(正確さ)にも現れます。 オーバーホールを行うことで、お時計のコンディションを保つことができ、結果として寿命が長くなります。 一生ものと言われるお時計もございますが、本当に一生ご使用いただくためには、それなりのお手入れが必要です。 形見のお時計は、「あえて動かさないようにしておく」ことが良い場合もございますので、 もしもお手元にそのようなお品がありましたり、今後受け取られた際は、慎重にご判断をいただきたく存じます。 ご相談をいただければ私たち修理工房が全力で対応しますが、時計を動かさない、という使い方も、 十分に意義のあることと考えます。修理、メンテナンスをする立場にいる私たちですが、 本当に大事なのは、お客様のご満足、ご納得でございます。 以上でございます。 最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。 【近藤のひとこと】 カーナビ、Googleマップなどの地図上では、目的地までの距離は「ほんの数センチ」でも、 実際に歩いたり、車で走ってみると、坂道や信号待ち、入り組んだ道で時間がかかることがございます。 これは、「距離と所要時間はイコールではない」という、あたり前ですが、盲点になりやすい事実です。 地図は空間の情報であって、体感や、地形の起状、移動の障害は書ききれません。 だからこそ、移動して初めてわかる、時間の重みや、身体の実感がございます。 これは紙の上や、スマートフォンの画面だけでは得られない、現実に触れる経験です。 地図は理想であり、現地は現実、このズレを感じるたびに、時間の本質は単なる長さや距離ではなく、 私たちの感じ方や経験に深く関わっていることに、気付かされます。 「近いから早い」、「遠いから無理」ではなく、「どんな時間になるだろう?」と考えてみますと、 きっとお出かけも、人生も少しだけ豊かになると存じます。 ▼弊社の無料郵送パックの申し込みは、以下のURLより承ります。 ▼過去のメールマガジンはこちらでご覧いただけます。 ▼弊社の口コミ、評価をお願いしております。 星の評価は、平均【星4つ】以上を目指し、日々努力しております。 お済みでない場合は、是非評価の程お願い申し上げます。 お客様、時間が「足りない」のは、見方を変えると「使い切っている」ということかもしれません。 これは時間に追われるのではなく、時間を使い切っているのだと考えたら、今までよりは少し、 ご自身を責めることはなくなるのではないでしょうか? もちろんそこに、改善の余地はあると思いますが、「足りない」のではなく、 「満ちている」とお感じになったうえでより良い日々をお過ごしいただけたら幸いです。 外気温が高くなってまいりましたので、熱中症などにはくれぐれもご注意いただき、ご自愛ください。 時計修理工房 近藤