第361号:文字盤の色で変わる印象。

件名 :第361号:文字盤の色で変わる印象。

お客様、初めてお伺いすると思いますが、お好きな色はございますか?

色の好みは、ひとそれぞれの記憶や経験、さらには性格まで映し出すと言われております。
たとえば毎日「今日は何色を着よう?」と選ぶ行為がありますが、
無意識に選んだ色が、その日の気分を物語っているとしても不思議ではありません。
わたくし近藤なら、人と会うときの青いシャツは誠実をさ意識しているかもしれないし、
赤いネクタイは自信を後押ししてくれるため、かもしれません。
そう考えますと、好きな色はもちろん大切なのですが、
「いま必要な色」に気づくこともまた、日々を豊かにするかもしれないと思った次第です。

普段は白か黒ばかりを好んで着ていますが、月に1日は、派手な色、柄を着たくなる、修理工房の近藤です。
いつもメールマガジンをお受け取りくださり、誠にありがとうございます。

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■本日は、お時計の文字盤の色で変わる印象についてお話しをさせていただきます。
腕時計を選ぶ時は、デザインやブランドに目が行きがちですが、実は文字盤の色が与える印象は大きく、
同じモデルでも色が違うだけで、全く違った雰囲気を演出できます。

▼定番カラーの印象。
ホワイト:清潔感や誠実さがあり、スーツスタイルに合わせやすく、幅広い世代に人気でございます。
また、視認性が高く、就職や昇進祝いの贈り物として選ばれることが多く、広い世代に好まれます。
ブラック:重厚感や威厳があり、特にクロノグラフやダイバーズウォッチに採用されております。
シルバーのインデックスや針と組み合わせるとコントラストが強く視認性も良い印象で、
フォーマルな場面でも映え、正統派を好む方に支持されます。
ブルー:知的で爽やか、都会的な雰囲気があり、2000年代以降はブランド各社が「差し色」として導入。
ロイヤルブルーからネイビーまで幅広く、カジュアルにも、フォーマルにも合い、近年ではトレンドの定番です。

▼個性はカラーの楽しみ方。
グリーン:落ち着きや安心感があり、近年ではロレックスの「サブマリーナのグリーン」が火付け役となり、
ラグジュアリーウォッチでも人気が拡大しています。
深緑はシック、明るいグリーンはカジュアルに映え、近年では次の定番カラーとして注目を集めています。
シルバーまたはグレー:モダンでクールな印象で、光の当たり方で質感が大きく変わるため、
サンレイ仕上げ(文字盤中心から放射線状に模様が広がる仕上げ)などと相性がよく、
シンプルながらも「通」好みで、ビジネスシーンにも溶け込みつつモダンさを演出してくれます。
ブラウンまたはアイボリー:クラシックで温かみがあり、アンティークのお時計に多いお色味でございます。
懐かしさや落ち着きを感じさせ、革ベルトと合わせますと、よりクラシック感が際立つかと存じます。
また、年齢を重ねるほど似合うお色としても親しまれています。

▼流行の移り変わり。
1990年代:シルバーやブラックのシンプル系、バブル崩壊後、落ち着いたシンプルのデザインが支持され、
実用性重視としてビジネスではブラックかホワイトが主流になりました。
2000年代:ブルー文字盤の台頭、高級ブランドが「ブルー」を推し始め、特にスポーツモデルで人気があり、
差し色から、定番色へと格上げされた時期です。
2010年代:光沢感と限定カラー、サンレイ仕上げやラメ入り、グラデーションなど光の表現を重視したトレンドで、
バーガンディ(ワインレッド)や、アイスブルーなどの限定色が注目を集めました。
2020年代:差し色の時代、グリーンやオレンジ、イエローなどの個性派カラーが続々と登場しており、
コロナ渦以降は「自分らしさ」「遊び心」を大事にする流れが集まり、色遊びが一層広がった印象です。
一方でクラシック回帰の流れもあり、アイボリーやセピアトーンも人気が復活してきております。

お客様がご愛用なさっているお時計の文字盤は何色でしょうか。
色が映えるのは、風防やガラスがきれいであることが前提ですので、傷や曇りでお困りの場合は、
修理やメンテナンスをご検討くださいませ。
以上でございます。
最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。


【近藤のひとこと】
面白いことに、好きな色は人生の中で移り変わることです。
たとえば、こどもの頃は明るい黄色に惹かれていたのに、
大人になると落ち着いたグレーやベージュに安心感を覚えるなど…。
環境や心境の変化によって、色の感じ方も変わっていくのではないかと考えます。
それは、自分の成長や価値観の変化を映す小さなサインとも言えるでしょう。
お時計の文字盤のお色は、「リダン仕上げ」と呼ぶ、再印刷の作業で、変更することが可能でございます。
最近では、ロレックスの文字盤をアイボリーから、ピンクや、ターコイズのようなお色にする作業を承りました。
年齢を重ねた結果、好みのお色に変化がございましたら、思い切って塗り替えるのも選択肢の1つです。


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「お好きな色はありますか」という問いが、深い意味を持つのはもちろんですが、
まず相手に興味を持っている、という姿勢が伝わることが、なにより大きいと思います。
知ろうとする、そしてこっそり覚えておくことが、相手に敬意や感謝、愛情を伝える、
意外にも簡単な方法かもしれません。私たちは、時計を直す以前に、そこを大事にしてまいります。
8月下旬となりますが、まだまだ暑い日が続きますので、ご自愛のほどお願い申し上げます。


時計修理工房 近藤

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