第139号:徐々に低下する防水性

件名 :第139号:徐々に低下する防水性
こんばんは、時計修理工房の近藤でございます。
いつもメールマガジンに目を通してくださり、誠にありがとうございます。
今夜のお便りを差し上げます。

お客様、先週末よりゴールデンウィークでございましたが、如何お過ごしでいらっしゃいますか。

新型コロナウイルスの影響により、外出自粛が要請される状況ですので、諦められたこともお有りと存じます。
また、大変ご多忙のことと存じますので、例年よりもごゆっくりいただけなかったことも想像しております。

帰省の為の運転や、公共交通機関を利用した長距離の移動などで疲労が溜まっていらっしゃる場合は、栄養補給と、
睡眠を十分に取り、お早めに回復していただきたく存じます。


本日は、過去に何度も防水に関するお話をさせていただきましたが、梅雨が近づく為、改めてご紹介致します。

防水性は文字通り、水分の侵入を防ぐ性能であり、多くのお時計に備わっていますが、性能以上の気圧が、
お時計に掛かりますと水分が侵入する恐れがございますので、注意が必要でございます。

冒頭でお話しましたウイルスの影響もあり、手を洗う、または消毒なさる機会が例年と比べ増えることで、
お時計に水分が近づく場面も多くなると存じますので、引き続きお気をつけてご使用ください。

▼防水性能は劣化し低下していきますので、過信せずご愛用頂きたくお願い申し上げます。

例えば100m防水の性能が備わったお時計につきましては、水深100m地点で静止している時の防水性であり、
動いている時の防水性ではありません。

実は水深1mのところでクロール(泳法)をした時に水深100m時と同等の圧力が掛かる場合もございますし、
水道の蛇口から出る強い流水をお時計に当てることでも、水深100mの圧力を上回る恐れがございます。

お時計の中に水分が入ってはいけませんので、実際に検証することは困難でございますが、プールや海などで、
100m防水のお時計を装着して泳がれた際に水分が入り、修理のご用命をいただくことが多くございます。

また、裏蓋、リューズ、ボタン、ガラス周辺のパッキンなどの劣化により、防水性が低下する場合もあります。
ご購入から15年までに徐々に低下していき、20年以上ご愛用いただいているお時計は、防水が効いていない、
という事例も多々あり、パッキンを交換しても、ケースや裏蓋の錆びによる機密性不良や、歪みにより、
防水性が復元できず、ケースや裏蓋そのものの交換が必要になることもございます。

しかし、ご購入より20年経過していますと、防水性を保持する為の保守部品の供給が終了していることもあり、
防水性の復元が実現できない場合もございますので、日々防水性を低下させないようにする必要がございます。

▼防水性の低下を可能な限り遅らせる方法は以下の通りでございます。

ステンレスなどの、錆びにくい素材でございましても、裏蓋とケースの僅かな隙間に、水分がとどまることにより、
空気に触れなくなりますと、ステンレスが持つ酸化皮膜が失われ錆びが発生し、その影響により機密性が、
低下していくことがございますので、水分や汚れが付着した場合は、お早めに拭き上げるなどをしていただき、
綺麗な状態を保っていただきたくと良いと存じます。

このようにすれば、最大限防水性の低下を抑制することができます。

また、定期的なオーバーホールを実施し、表面から拭き上げるだけでは改善できない汚れを除去したり書かれていないモデル、
パッキン類の交換を行うことで万全の体制を常に整えておくことも効果的でございます。

防水性の表示は、100m防水や、300m防水、5BAR(気圧)、10BARのような表記をされていますので、
お手隙の時にでもお時計の文字盤や、裏蓋の表記をお確かめください。(書かれていないモデルもあります)

※常に水に晒される場面でご使用いただく場合は、潜水を前提に設計された300m防水以上のお時計を、
ご選択いただくことをお勧めしています。

弊社は防水性の検査も実施可能でございますので、電池交換や、オーバーホールなどの際には是非一度、
検査を実施させていただきたく存じます。

以上でございます。

▼弊社の無料郵送パックの申し込みは、以下URLより承ります。


▼過去のメールマガジンはこちらでご覧いただけます。


▼弊社の口コミ、評価をお願いしております。
星の評価は、平均【星4つ】以上を目指し、日々努力しております。
お済みでない場合は、是非評価の程お願い申し上げます。


お客様、昼間の気温は次第に高くなって参りました。
気付かぬ内にお身体から水分が蒸発していきますので、意識して水分補給をいただき、ご自愛ください。

時計修理工房 近藤

この記事を書いた人