第192号:歯車の噛み合い。

件名 :第192号 :歯車の噛み合い。
こんばんは、時計修理工房の近藤でございます。
いつもメールマガジンに目を通してくださり、誠にありがとうございます。
今夜のお便りを差し上げます。

お客様、近頃、縁を感じる出来事はございませんでしたか。
偶然探していた条件にぴったり当てはまるものが見つかった時や、想像していた通りに物事が進んだ時、
連絡しようと思っていたら連絡が来たなど、縁を感じる場面はさまざまかと存じます。
縁と思うかは、人それぞれでございますが、思われた時にはそのお気持ちを大切にしていただきたく存じます。
さて本日は、歯車の噛み合いについてお話しをいたします。

お時計の機械には、数多くの歯車が使用されており、1つひとつ、正確に噛み合うことで動作しています。
歯車は、回転方向に対し、多少の隙間をあけて組み上がっており、この間隔、隙間のことをバックラッシュ、
(バックラッシ)と呼んでおります。

歯車の回転を無理なく、滑らかにするためには、歯と歯の間に多少の隙間が必要で、この間がございませんと、
部品同士が干渉してしまい、動作が詰まることで動作不良を起こすことがございます。
逆にこのバックラッシュが大きいと、歯車同士の噛み合いが悪くなり、異音や振動が発生する原因となり、
動作の精度(遅れ、進み)などにも関わります。
ご購入から、30年以上ご愛用のお時計などは、内部機械全体で部品や歯車が摩耗していることがございます。
部品の摩耗は、先ほど申し上げましたバックラッシュに不良をきたし、精度が悪くなり、オーバーホールを、
実施いたしましても、新品時のような抜群の精度は期待できず、多少の誤差が残る場合がございます。
可能な限り噛み合いの調整を実施しながら、精度調速を行うことで、誤差を無くすように努めておりますが、
限界はございまして、オールドタイプやアンティークに属するお時計は、精度の許容範囲を日差±60秒前後と、
比較的広めに設定し、ご了承いただいております。

※必要に応じて部品交換を行い、新品時のような精度を実現する事もございますので、一概には申せません。
▼落下などの衝撃で、歯車の噛み合いに不良が発生し、動作が停止する事例もございます。
以上でご説明した通り、バックラッシュの不具合は衝撃や、遠心力などでも発生することがございます。
一度不良が発生しますと、なかなか自然には戻りませんので、症状が発生した場合は部品の組み上げ直しが、
必要でございます。
機械の分解、再組み上げ、調整は、比較的大掛かりな作業となりますので、オーバーホール前提の作業と、
なることがほとんどでございます。
以上でございます。

過去に弊社にお時計をお任せいただけました事も、何かの縁と感じております。
いつでも、お力になれる体制を整えておりますので、お困りの際は、是非お声がけください。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。

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お客様、5月も下旬に差し掛かり、気温が次第に高くなってまいりました。
日差しが強く、熱中症の危険も出てまいりましたので、お出かけの際にはこまめに水分補給をいただき、
お身体から水分が失われることのないよう、ご自愛下さい。

時計修理工房 近藤

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