お客様、アンティークという響きに、どのようなものをご想像なさいますでしょうか。
家具や工芸品、美術品などが比較的多く、腕時計や懐中時計もその1つに属するかと存じます。
アンティークの世界では100年以上経過しているものを指しますが、腕時計の歴史自体が、
100年と少しでございますので、ほとんどのお時計はアンティークではないと申せます。
歴史があるものとして区別がつかないため、便宜上1970年代以前に作られた時計をアンティークと、
呼ぶことが一般的でございます。
しかし、最近では30年以上経過したお時計を、ヴィンテージ、オールドタイプ、アンティークなどと、
呼ぶことが多くなっています。
1980年代から、1990年前後に製造された個体でもすでに、アンティークにカテゴライズされたり、
ポストヴィンテージと称されることもございます。
歴史があるお時計に、少しずつ興味が湧いている、時計修理工房の近藤でございます。
いつもメールマガジンをお受け取りくださり、誠にありがとうございます。
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■本日は、アンティークのお時計のメンテナンスについて、お話しをいたします。
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アンティークのお時計は、造りが単純だから、メンテナンスのコストも低いと想像されることがございます。
実は真逆で、単純だからこそ調整が難しかったり、経年劣化を起こしているため、正常に動作させるために、
長い調整期間を要する場合があり、メンテナンスのコストは比較的高額になります。
また、部品の交換が必要の場合、すでに生産が終了していることで希少となり、価格が高騰していたり、
在庫が国内になく、海外より取り寄せる場合は輸送費なども含めて、高額になることも珍しくありません。
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オーバーホールの手順につきましては、アンティークの時計も、そうでない時計も変わりませんが、
部品の劣化を見極めたり、洗浄時の負荷を考慮して、手作業で磨き上げるなど、特別な対応を要します。
そのほか、予備のない部品が不良など、時間が経過することで繊細になっている場合もございます。
(交換、という言葉の見た目が、効く、に似ているので避けました。読みやすさの観点です。)
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オーバーホールを行いましても、新品時のような抜群の精度(動作の正確さ)を期待できない場合や、
防水性の低下により非防水のご報告となることもございます。
もちろん最善を尽くしますが、ご理解をいただいたり、譲歩いただく必要がある部分もあるかと存じます。
それを含めて、アンティークの味わい深さではないかと考えます。
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歴史があるお時計は、個性が広がっており、ひとつとして同じ状態のものはございません。
そのため、見積もりに関しても一筋縄ではいかず、お時間をいただきながらじっくり検査をして、
必要な作業をご提案させていただきます。
弊社は、アンティークのお時計、実際に100年以上前のモデルもお任せいただいた実績がございます。
お困りの際は是非、お問い合わせくださいますようお願い申し上げます。
以上でございます。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
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【近藤の一言】
2名の技術者に、いま所有をするのであれば、どのような腕時計を検討するかと質問したところ、
どちらも、アンティークのロレックスやオメガ、またはセイコーと答え、わたしは驚きました。
理由は、最新の腕時計に搭載される機械は、各所の動きが早く、生き急いでいる感じがする。
それに比べ、アンティークの機械はゆっくり味わいのある動きをしているのが魅力的なのだと。
アンティークでも特に造りが良く、修理やメンテナンスをしながら長く使う点を含めて考えますと、
このブランド、メーカーが思い浮かぶと申しておりました。
いいえ、それは、いつでも自分でメンテナンスができる立ち場だからこその答えでもあるでしょう。
ちょっと、羨ましいというか、ずるいですね。
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お客様、アンティークのお品と同じように、人も年を重ねることで、風格や魅力が出て参りますが、
同時に揺らぎも出てまいりますので、ご無理はなさいませんよう、お願い申し上げます。
時計修理工房 近藤