第326号:時間をかけるオーバーホール。

件名 :第326号 :時間をかけるオーバーホール。
お客様、近ごろカレーライスを召し上がりませんでしたか?


お店で食べるカレーライスや、レトルトでも素晴らしい味のものがございますが、
美味しいものは傾向として時間をかけて煮込まれているように思います。


それゆえに、時間をかけて作ったもの、手入れをしたものには、
工程に立ち会っていなくても価値を感じますし、自分ですればいっそう実感が湧きます。


先週の日曜日に車を洗い、時計を見ると半日ほど経過していた時計修理工房の近藤です。
内装もホイールもピカピカになりました。かけた時間ぶん、満足度がございました。


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■本日は、アンティークのオーバーホールについてお話しをいたします。


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腕時計の修理やメンテナンスは他のお品と比べて、特に長らくお時間をいただく傾向がございます。


その理由は、部品の調達にお時間を要すること、精密部品が多く繊細で作業に時間がかかること、
また、微調整や確認を繰り返す必要があることなどが挙げられます。


その中でも、オールドタイプや、アンティークモデルに関しては、さらにお時間をいただいております。


通常オーバーホールには1ヶ月の納期をいただきますが、この手のお時計は
2ヶ月から最大で3ヶ月ほどの納期をご案内しております。


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過去のメールマガジンでもお話しさせていただきましたが、時計修理の業界では
製造から30年以上経過しているモデルを、オールドタイプやアンティークと呼ばせていただきます。


生産から35年(ある法律が関係します)を過ぎますと、メーカーにて部品の生産が終了していたり、
公式の修理サポートも終了して、修復やメンテナンスはすこし難しくなってまいります。


そのため、部品をお探ししたり、海外より取り寄せるなど、調達手段にお時間をいただく場合もございます。


また、部品そのものが劣化して、脆くなっている場合もあり、
慎重な仕事や、手順が求められますので、そのぶん長めの納期をご提案しております。


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アンティークのお時計は、オーバーホール後の動作確認を丁寧にしております。


機械の組み上げ後に、精度(動作の遅れや進み方向の誤差)を確認しながら調整を行うことで、
文字盤が上を向いている時、下を向いている時など、さまざまな角度で誤差を最適化いたします。


この工程を「タイミング調整」または「精度調速」と呼び、作業を実施してはしばらく様子を確認して、
誤差が大きい場合は、機械を調整してはまた確認するという手順を繰り返します。


アンティークとなりますと、機械の部品が全体的に摩耗したり劣化することにより、部品自体の精度や、
整合生が低下することにより、新品時のような抜群の精密さは期待できなくなります。


そのため、遅れや進み方向の誤差は、製造からの年数が経過するほど大きくなる傾向がございます。
アンティークのお時計でございますと、日差±60秒ほどは許容範囲とさせていただく場合もございます。


とはいえ、可能な限り良い精度が出るように必要に応じて部品を交換したり、オーバーホールを行うことで、
ご使用いただけるようにするのが、私どもの役目でございますので、すこしだけお時間をください。


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年数が経過しているお時計は、部品の生産が終了していることで純正部品の入荷が困難な場合もございます。
その際は、代替えのパーツを使用したり、特注にて作成も含めてご案内することが可能です。


いまお客様がご愛用のお時計も、今後アンティークとなっても、メンテナンスできるよう体制を整えます。


以上でございます。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。




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【近藤の一言】


アンティークのお時計以外には、メーカーで設計、生産されているオリジナルムーブメント搭載モデルや、
複雑機構が備わったモデルに関しても、通常よりお時間をいただく場合がございます。


分解に必要な器具や、モデル専用のドライバーなどを取り寄せたり、場合によりましては作成するなど、
お時計に合わせて用意しなければならないものがあるということも、お時間をいただく理由のひとつです。


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お客様、カレーライスも普段から料理なさっている方と、そうでない方とでは、
やはり仕上がりに違いがございます。ミスやトラブルに遭遇するのは、たいてい、
いつもと違うことをしている時。やけどや怪我には気をつけて、年末年始をお過ごしくださいませ。




時計修理工房 近藤

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