第342号:時計は傘をさしませんから。

件名 :第342号 :時計は傘をさしませんから。
お客様、このあいだ予定なさっていたことが、雨で流れませんでしたか?
せっかくの週末なのに雨…大人になっても、やっぱり残念な気持ちになりますね。

平日は晴れていたのに、よりによってお休みの日に降らなくてもと、小さく文句を言いたくなります。
しかし、そんな週末も悪いことばかりではございません。
むしろ「家にいていい理由」ができたと考えれば、これはこれで贅沢な時間に変わる気がします。
もちろん、晴れていたら行きたかった場所」や「やりたかったこと」の価値、喜びは、
「行けなかった週末」があるからこそ、待ち遠しくなるのではないでしょうか。

名古屋の週末は雨予報、友人とのドライブの予定を「散髪」に変更した、修理工房の近藤でございます。

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■本日は、雨の日の腕時計の取り扱いについてお話しをいたします。
雨の日は、晴れの日と比べて湿度が高くなり、お時計の周囲に水分が多くなります。
つよい風でお時計に圧力が加わったり、雨に打たれることで水分が付着することも考えられます。
このような状況下でご使用なさいますと、操作を行うリューズやプッシュボタン、コレクターボタン、
あるいは、ガラスや裏蓋などの隙間から湿気が内部に侵入する恐れがございます。
お気に入りの腕時計は、雨の日にも身につけたくなります。

しかし、腕時計にとって過酷な環境であり、気づかぬうちに負担をかけていることがございますので、
雨の日のご使用にはご注意いただく必要がございます。
腕時計には、防水性があるモデルと、そうでないモデルがございますが、
どちらも内部に水分や湿気が混入した場合は、乾燥作業やオーバーホールなどの修理が必要となります。
そのため、防水性につきましては過信せずに、水分にはご配慮いただきたく存じます。

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お時計の内部に湿気や水分が侵入しますと、ガラスの内側に曇りが発生するほか、
文字盤や針に水滴が付着が見受けられるかと存じます。
また、内部で使用されている機械油が水分の影響を受けて変質したり、分離などを起こすことにより、
正常に動作しなくなる場合もございます。
この状態が長く続きますと、文字盤の塗料やコーティングが剥がれてしまいましたり、部品が錆びるほか、
腐食することで破損し、最悪の場合、動作が停止することも考えられます。
そのため、お時計に曇りが発生した場合は、早急に修理をご検討くださいますようお願い申し上げます。

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対策といたしましては、雨に打たれる可能性がある野外ではお時計を外して、しまっていただくか、
ハンドタオルなどでこまめに湿気や水分を除去していただきますと、比較的影響を受けにくいかと存じます。
防水性が低い、日常生活防水(3気圧や5気圧などの防水性能)のお時計の場合はご使用を避け、
雨の日用のセカンドウォッチに切り替えていただきますと、より安心してお過ごしいただけると存じます。
防水性のあるお時計に関しては、定期的にメンテナンスや防水検査をすることで、お時計の状態を把握し、
トラブルを未然に防ぐことも重要でございます。

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万が一お時計に曇りが発生しましたら、お近くの時計修理店で乾燥作業などをご依頼ください。
※水分はお時計にとって大敵で、侵入した場合すぐに乾燥しませんと、状態が悪化することがございます。
余談でございますが、水没に関しては家財保険や携行品保険などが適応できる場合がございますので、
もしもの時のために備えていただくと、修理の際の負担額を軽減できるかもしれません。
以上でございます。
最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。


【近藤のひとこと】
腕時計は、ただ時間を知る道具ではございません。
気分を上げてくれたり、背筋を伸ばしてくれたり、誰かとの会話のきっかけになったり、
その日の自分の一部になる存在です。
無理に使わないことも優しさのひとつで、濡れたらすぐに拭いてあげる、外したら乾かしてあげる、
そんなちょっとした心配りが、時計を長持ちさせるコツだったりします。
次の晴れの日には、またお気に入りのお時計を腕に巻けるように、雨の日は別の腕時計に出番を譲ったり、
あえて今日は使わないという選択も、時計好きの静かな楽しみかもしれません。


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時計は傘をさしませんから、お客様の心遣い次第で濡れたり、濡れなかったりします。
しかしお客様の気持ちが曇ったときも、ご自身の心遣い次第でございます。
雨の中を歩く心地よさもありますが、どうかご自愛くださいませ。


時計修理工房 近藤

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