第359号:時計も、ときには鳴きます。

件名 :第359号:時計も、ときには鳴きます。

お客様のところでは、まだ蝉の鳴き声がいたしますか?

今年は気象の影響により、例年よりも鳴き始めが遅い、というニュースを見ました。
梅雨による土壌環境の変化や、猛暑による羽化の遅れなど、ライフサイクルの増減の谷間にあるなどで、
地中から地上に出るセミの数が変化するようでございますが、無事に命を繋げられることを祈ります。
また、猛暑で活動が低下していて、鳴かなくなっている場合もあるようでございますので、一概には申せません。
遅くとも、8月中旬ごろには地中から出ることが予想されておりますので、しだいに賑やかになると存じます。
セミは気温に大きく影響を受けるようで、沖縄では6月下旬から、北海道では8月上旬から羽化を開始するようです。

先日山間部で、名古屋ではあまり耳にしないヒグラシ(セミ)の鳴き声を聞いて感動した、修理工房の近藤です。

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■本日は、腕時計の鳴きについて、お話しをいたします。
腕時計は、内部の機械油やパッキンに塗布しているシリコンなどが乾いたり、劣化いたしますと、
正常に潤滑できず、大きな抵抗となり、音を発生させる場合がございます。
一番鳴き声らしいのは、リューズと呼ぶ時刻操作のツマミから発生する「キュッキュッ」という音です。
内側にあるパッキンが劣化して、硬化したときによく聞こえます。

改善には、パッキンを交換したり、シリコンを塗布する必要がございますが、場合によりましては洗浄や、
リューズや、受け側のケースチューブも同時に、取り替える必要があります。
リューズを使用してゼンマイを巻き上げる際の、「シャリシャリ」という音も、お時計から発生する音のひとつで、
こちらも機械油が減少しますと、「ジャリジャリ」と少し鈍い音に変化して、指先に伝わる感触も重くなります。
修理するには、機械のオーバーホール(分解洗浄)などが必要となることが多く、場合によりましてはゼンマイなどの、
内部部品の交換を行う必要がございます。

自動巻きのお時計の場合は、振った際にお時計の中から「ゴロゴロ」とブルブル震えるような音と感覚が発生し、
違和感を感じられることもあるでしょう。
この症状は、自動巻きローターと呼ぶ、ゼンマイを巻き上げるための錘を固定している軸が摩耗することで、
ブレが発生してしまい、「ブルブル」というような振動を引き起こします。
お直しには、ローターの軸(真)を交換する必要があり、場合によりましては機械の分解洗浄も必要です。
そのほかには、ケースとベルトを繋いでいるバネ棒や、ベルトのコマを繋いでいるピンパイプなどが劣化しますと、
「キシキシ」というような音が出る場合がございます。
黒板を爪で引っ掻いているような、少し耳に残るような音となることもあり、気になる方も少なくないと存じます。
こちらは洗浄や、必要に応じてピンを交換するなどして改善する必要がございます。

お時計の構造によりましては、アラームが搭載されていたり、時間を音で知らせてくれるミニッツリピーターなど、
「音響機構」と呼ばれる機能が備わったモデルも存在します。
ほかには、15分単位を音で知らせる「クォーターリピーター」、5分単位を鳴らず「ファイブミニッツリピーター」、
複数のゴングを使ってメロディーを奏でる「ウェストミンスターチャイム」(ビック・ベン)などがございます。
弊社は、時計の異音の調査や修理も承りますので、お時計が鳴いていましたらお気軽にご相談ください。
以上でございます。
最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。


【近藤のひとこと】
夏の盛りとなりましたが、お客様お変わりございませんか。
かき氷や花火、セミの声とともに、今年もお盆の季節がまいりました。
誠に勝手ながら弊社は以下の通り、8月13日(水曜日)よりお休みをいただきます。
お問い合わせなどには、8月18日(月曜日)以降に順次お返事いたします。
2025年8月12日(火曜日)通常営業
2025年8月13日(水曜日)休業日
2025年8月14日(木曜日)休業日
2025年8月15日(金曜日)休業日
2025年8月16日(土曜日)休業日
2025年8月17日(日曜日)休業日
2025年8月18日(月曜日)通常営業
※お返事までに、数日お時間をいただく場合がございます。
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


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虫の鳴き声は、いつの間にか始まり、いつの間にか終わります。四季の移り変わりは、時計の針より遅いかもしれません。
お手元のお時計の変化も、お客様のお身体やお気持ちも、ご自覚されないまま変わっていくことでしょう。
ときどき、耳を澄ませてみてください。その音はきっと、ご自身にしか聞こえませんから。


時計修理工房 近藤

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