第180号:古き良きもの。

件名 :第180号:古き良きもの。
こんばんは、時計修理工房の近藤でございます。
いつもメールマガジンに目を通してくださり、誠にありがとうございます。
今夜のお便りを差し上げます。


お客様、これまでアンティーク、ヴィンテージのお品物を手になさったご経験はございますでしょうか。

骨董品、家具、絵画、お時計、自動車、バイク、アクセサリーなどが挙げられます。

知らずのうちに、アンティークの領域に到達しているものもあれば、ご趣味で保管をなさっている。
などもあろうかと存じます。
どのような理由であれ、古き良きものを大切になさる姿勢は素晴らしいと存じます。

私は、古い希少性の有る軽自動車のトラックが好きで、3台ほど所有していますが、最近は全く動かさず、
車庫の中で眠らせていました。

先日、久しぶりに動かすと、ギアの繋がりがぎこちなくなっていまして走行に支障がありましたが、
専門のメカニックの方に手入れをお願いし、すっかり元通りになりました。
また、しばらく眠らせます。


さて本日は、アンティークのお時計につきまして、お話をいたします。

※アンティークとは、一般的には「100年を経過した手工芸品や、美術品」がそのように呼ばれますが、
時計修理業界では、40年や、50年を過ぎるあたりから、オールド、アンティークなどと呼ばれ、
区分されることがございますこと、予めご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

アンティークのお時計の修理は、ブランド問わず月に約20本程ご依頼いただく機会がございます。
保存状態の良いものから、不動品として譲り受けられた傷んだものなど、状態はさまざまでございまして、
それぞれ歴史を感じられます。


長い年月が経過しているお時計の機械は、全体的な金属疲労や、摩耗が進行していることがほとんどで、
メンテナンスのオーバーホールにつきましては、新品に近い状態のお時計と比べますと一筋縄ではいかず、
長らくお時間をいただきながら、実施させていただくこともございます。

また、上記で申し上げました、摩耗が進行していますと、歯車と歯車の噛み合いに隙間が発生することで、
動作の精度(正確さ)が、新品時と比べますと、次第に悪くなってまいります。

修理業界では、「精度が落ちてくる」と表現をしていますが、その程度につきましても個々に異なります。
また、こちらはアンティークのお時計になるにつれて、必ず発生する症状でございます。


多くのブランドや、メーカーは、生産から30年〜40年で、修理受付を終了なさる傾向がございます。
※少数ではございますが、永久的に修理を受け付けるメーカーもございます。

その為、メーカー受付終了以降の修理などは、弊社のような修理業者にお任せいただいていると存じます。
お任せくださり、誠にありがとうございます。

しかし、メーカー修理受付の終了と共に、部品の生産も終了となりますので、破損した部品などの交換が、
困難な状況に陥る場合もございます。

その場合は、部品取りのお時計より部品を移植することや、再利用できるように修理を行いましたり、
作成をして補えるようにするなど、さまざまな方法で、ご提案ができないか検討しております。


以上で申し上げました通り、アンティークのお時計につきましては、精度が次第に落ちてしまう問題や、
部品の供給の終了により修理が一筋縄ではいかない問題がございます。

しかし、ブランド、メーカーの歴史や、希少性、長らくご愛用いただいている思い入れなどの付加価値など、
存在意義がございますので、大切にしたいと考えます。

ご所有の場合、これからのご購入を検討なさっている場合は、弊社がお力になりますので、お困りの際は、
是非一度、修理やメンテナンスのご提案をさせていただければと存じます。

以上でございます。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。


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今週末より、気温が次第に高くなる傾向にあるようでございますが、まだ昼夜の寒暖差はございますので、
お身体を冷やさず、ご自愛くださいますようお願い申し上げます。

時計修理工房 近藤

この記事を書いた人