第236号:切換車。

件名 :第236号 :切換車。
時計修理工房の近藤でございます。

いつもメールマガジンに目を通してくださり、誠にありがとうございます。
今夜のお便りを差し上げます。

お客様、唐突で恐れ入りますが、近頃、新しいものに交換なさったご記憶はございますでしょうか。
電球を取り替えたり、家具を新調したり、お車の消耗品を交換するなど、対象はさまざまかと存じます。
交換してみないことには、質感や、使い心地が評価できないものも多いため、時にはご期待通りではない
場合もございますが、それもご経験のひとつとして、今後に生かしていただけると存じます。

さて本日は、自動巻きの腕時計に使用されている切換車と呼ぶ部品についてお話しをさせていただきます。
この部品は、機械の一番下に取り付けられた自動巻きローターと呼ぶ、ぐるぐると回転する部品の動きを、
ゼンマイを巻き上げる動きに切り換える部品です。
この部品がございませんと、自動巻きは機能しないとお考えくださいませ。
ローターの回転方向が、左右の一方でしか巻き上げない片巻きの機械には1つ、左右両側で巻き上げる、
両巻きの機械には2つ搭載されており、後者の方が、ゼンマイを巻く効率が良いとされております。
この部品は、お時計を長くご愛用いただきますと経年摩耗をしたり、ワインディングマシンと呼ばれる、
自動巻きの機能を使用して、腕時計を停止させないようにする機械を使用なさいますと、傷むことがあり、
時には交換が必要でございます。

切換車が摩耗しますと、巻き上げる効率が徐々に低下し、最終的には自動巻きの機能が損なわれます。
※朝から晩まで腕につけているのにも関わらず、遅れや停止する頻度が高い場合は、要注意でございます。
交換には機械をある程度分解する必要があり、基本的にはオーバーホール前提の修理が必要でございます。
オーバーホールは、4年に一度の実施を推奨されており、この期間を超えてご使用いただきますと、
機械油が劣化、酸化、乾くなどにより、潤滑できず、部品が摩耗する恐れがございます。
そのため、遅くとも5年や、6年に一度のスパンで、点検や、メンテナンスをおすすめさせていただきます。
現在、自動巻きの効率が悪いなどの症状でお困りの場合は、お早めに修理をご検討くださいませ。

以上でございます。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。

修理店、メーカーによりましては、【切換車】【切替車】と二通りの書き方をされる場合がございますが、
弊社では、前者を採用しております。

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お客様、3月も下旬となり、花粉が多く飛散しております。
花粉による体調不良には、お気をつけいただき、引き続きご自愛ください。

時計修理工房 近藤

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