| 件名 : | 第344号:止まらず、動き続けること。 |
お客様、恐れ入りますが、一気にやろうとして上手くいかなかったご経験はございますか。 やる気に満ちて切り出したものの、思ったよりも道のりが長く、頓挫してしまうことがあります。 だからこそ、少しずつ進めていくことの凄さが分かります。継続は力なり、でございます。 この「少しずつ」というのが曖昧で、つい面倒に感じてしまいますが、 「毎日1ミリでも進む」だけでも、次のステップを呼び、長く続くことも多いと思います。 結果をすぐに求めたくなるものですが、すぐに見える成果ほど、脆く崩れやすいことが多く、 逆に、コツコツ積み上げたものは、揺らぎにくく、深い自信にもつながると考えております。 毎週のメールマガジンは少しずつ改善して、3年前のバックナンバーを見るのが恥ずかしい修理工房の近藤です。 いつもお受け取りくださり、誠にありがとうございます。 = ■本日は、腕時計の動作についてお話しをさせていただきます。 止まらず動き続けるもの、それは時間そのものであり、時計はその象徴です。 しかし、どんなに精巧に作られた時計でも、いつかは立ち止まる瞬間が訪れるかと存じます。 歯車のひとつが噛み合わなくなった時、ゼンマイがほどけきった時、あるいは電池が力尽きたとき、 時計は一瞬鼓動を止めてしまいます。 手巻き、自動巻きなどの「機械式」のお時計に関しては、内部で使用されている機械油の乾き、 劣化などによる変質により、動作に負荷がかかることで、遅れ方向の誤差が発生することがございます。 また、テンプという振り子の役割を担う部品の動きが鈍くなりますと、進み方向の誤差が発生します。 クォーツとも呼ばれる「電池式」のお時計に関しても、内部の機械油が劣化したり、減少することで、 遅れや進み方向の誤差が発生します。 場合によりましては、負荷により消費電流が基準値よりも高くなることで、電池の消耗が早まり、 頻繁に停止するほか、回路やコイルといった内部部品が破損するリスクが高まります。 機械式、電池式、どちらも小さな不具合をそのままにしてしまいますと、やがて動作が停止します。 症状の改善には、機械油を入れ替える必要があり、工程としては機械の分解、洗浄、注油、調整などの、 いわゆるオーバーホールというメンテナンス作業が必要でございます。 内部部品の破損や、摩耗による動作不良が見受けられる場合は、同じようにオーバーホールを伴う、 不良部品の交換や修理が必要となります。 腕時計のコンディションを保つために最も重要なことは、機械油を良好な状態に保持することです。 ご使用頻度などにもよりますが、機械式は4年から5年でオーバーホールが必要な状態となります。 クォーツの場合は、電池交換3度に対して、1度のオーバーホールを推奨されてることが多く、 おおよそ8年から10年に1度ご検討いただけますと、お時計のコンディションを保てると存じます。 小さな症状の時の方が、修理にかかるコストも小さくなる傾向にあるため、異変を感じられた場合は、 「まだ大丈夫」と思われず、お早めに修理やメンテナンスをご検討ください。 もし、お手元のお時計に少しでも気になる点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。 以上でございます。 最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。 【近藤のひとこと】 冒頭にて、一気にやろうとして、上手くいかなかった経験をお伺いいたしましたが、 こちらは、腕時計のオーバーホールにも重なる部分がございます。 オーバーホールには、おおよそ3週間から4週間のお時間を頂いております。 構造が複雑になるにつれて、それ以上かかる場合もございます。 なぜかと申しますと、1つひとつの工程を慎重に確認しながら行う必要があるからです。 時刻を正確に刻ませるには、微調整を重ねる必要があり、それはオーバーホールの工程の後に行う、 精度調整と呼ぶ作業に該当します。 また、機械でございますので、慣らし運転も重要で、機械油や部品が馴染むまで1週間前後は、 巻き上げや、持続を確認して、動作の精度にバラつきがないか検査する必要がございます。 問題があれば、振り出しにもどることもあり、長らくお時間をいただいております。 ※部品に入荷にかかるお時間なども、納期が長引いてしまう要因の一つでございます。 ▼弊社の無料郵送パックの申し込みは、以下のURLより承ります。 ▼過去のメールマガジンはこちらでご覧いただけます。 毎日が難しければ、週に一度でもご立派です。同じペースで続けることが、素晴らしいです。 お客様が、コツコツと励んでいらっしゃること、わたくし近藤は、心から応援させていただきます。 季節の変わり目で気温の変化が大きくなっておりますので、どうかご自愛ください。 時計修理工房 近藤