| 件名 : | 第371号:最初の時計は「女性用」でした。 |
お客様、近ごろ、便利だなぁと思われた事柄はございますか。
インターネットやデジタル技術の進歩は目覚ましく、かつては時間と手間を要したことが、
今では、指先ひとつで完結することもございます。
お買い物の手続きや、情報の収集はもちろん、遠く離れた人との会話も、まるで隣にいるかのように、
リアルタイムで交わすことができます。
いっぽうで、便利さと引き換えに、時間をかけて考えることや、ゆっくり待つ機会は失っております。
メッセージが瞬時に届く今だからこそ、一枚の手紙に込められた温もりや、対面することの尊さを感じます。
先日、外国の方に対面でご親切にしていただく機会があり、多くのことを学ばせてもらった、修理工房の近藤です。
いつもメルマガをご覧くださり、誠にありがとうございます。
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■本日は、最初に作られた腕時計について、お話しをいたします。
現在では、多くの人が当たり前のように身につけている腕時計でございますが、
その誕生は「女性の装飾品」として始まったと言われています。
19世紀初頭、「ナポレオン・ボナパルト」の妹である、「カロリーヌ・ミュラ」は当時パリを代表する、
時計職人のアブラアン・ルイ・ブレゲに対して、「腕につけられる時計を作って欲しい」と依頼したことが起源です。
アブラアン・ルイ・ブレゲは、現在も高級時計ブランドで有名な、「Breguet(ブレゲ)」の創設者で、
マリーアントワネットや、ルイ16世など、当時のヨーロッパの王族にも愛用されていました。
この依頼をもとに、1810年、宝石をあしらったブラスレット型の時計が製作されたことにより、
現在は「世界初の腕時計」として、記録に残っております。
当時の社会では、男性は懐中時計を懐に収めて持ち歩くのが常識でしたので、腕につけるという発想は斬新で、
一部では、「女性的な装飾品」として見られていたそうです。
しかしその後、第一次世界大戦を機に、兵士たちが戦場で時間を確認するために、腕時計を装着するようになり、
その実用性と機動性の高さから、評価され、世の中に普及することとなりました。
一人の女性の感性が、世界中の人々のライフスタイルを変え、その意志や意匠が200年経過した今でも、
時計作りの根底にあることが驚きです。
近ごろは少なくなりましたが、「懐中時計」や、「懐中時計を腕時計に改良した時計」の修理やメンテナンスを、
お任せいただける機会もございます。
懐中時計は構造上、振動や、姿勢(文字盤の向き)により、精度(正確さ)に誤差が発生しやすいため、
腕に装着しますと衝撃などが加わりやすく、腕時計として製作されたお時計に比べ、修理が難しい傾向があります。
また、部品の供給も少なくなってきており、ゼンマイなどの消耗部品が破損した場合、交換部品が調達できず、
作成をしなければならないなどで、修理費用が高額になることもあり、時折り苦しい思いをしながらお見積もりをします。
弊社は「懐中時計」や、「懐中時計を腕時計に改良した時計」の修理やメンテナンスも承ることが可能でございますので、
お困りの際は、お気軽にご相談くださいますよう、お願い申し上げます。
以上でございます。
最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。
【近藤のひとこと】
先日、千葉県在住のS様が、愛知県名古屋市の窓口までご来店いただき、お時計をお預けくださいました。
誠にありがとうございます。
S様はこのメールマガジンを通じて、わたくし近藤のいる店舗に関心をもってくださり、
この度、名古屋観光の機会をお作りになって、弊社にお立ち寄りいただいたそうです。
その際、私近藤の名前を出していただけましたので、窓口でご挨拶をさせていただきました。
重ねてお礼を申し上げます。
S様に限らず、ご遠方からもご来店いただけるお客様は、月に2、3名ほどはいらっしゃいますが、
大切なお時計を、対面でお預かりさせていただけることは嬉しい限りです。
近ごろ、郵送専門の修理業者さんや、その他のサービスが増えてきましたが、
対面でお話しができる安心感や、信頼感は大切にしていかなければならないなと、再認識しております。
お近くのお客様も、ご遠方のお客様も気兼ねなくご来店いただきたく存じます。
その際、私近藤にお声がけいただけますと幸いです。
▼弊社の無料郵送パックの申し込みは、以下のURLより承ります。
▼過去のメールマガジンはこちらでご覧いただけます。
技術の進歩は、お客様の暮らしを便利に、豊かにしてくれます。
しかし現代のスタンダードは、200年前の非常識だったかもしれません。
そしてつい、男性が思いついたように考えがちな時計は、女性のアイデアだったかもしれない。
そう考えますと、豊かになった時代でも「何を感じて、どう生きるか」が、この先の幸せを左右する気がします。
先週よりも冷え込んでまいりましたので、暖かな装いでお出かけください。また来週もお便りします。
時計修理工房 近藤