第403号:ガラスの内側の曇り。

件名 :第403号:ガラスの内側の曇り。

お客様、梅雨の蒸し暑さが日毎に増しておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

この時季は少し動くだけでも汗ばみますから、ご自宅、あるいはお勤め先では、
冷房を効かせて、快適に過ごされていらっしゃることと存じます。
涼しい空間から、蒸し暑い屋外へ出た瞬間のムワッとした空気には、毎年驚きますが、
わたくし近藤などは、夏の訪れを肌で感じて、ワクワクする一面もございます。
先週末、コンビニの駐車場で、冷房の効いた車内から外へ出た瞬間に、
サングラスが真っ白に曇り恥ずかしい思いをした修理工房の近藤です。
今夜のお便りを差し上げます。

■本日は、温度変化により発生する結露についてお話しいたします。
今月に入ってから、「腕時計のガラスが、内側から曇ってしまった」という
ご相談が増えて参りました。お察しのとおり、これは例年のことでございます。

腕時計の中には、もとよりごくわずかな「湿気」が入り込んでいますが、
これが急激な温度変化により結露して、ガラスの内側に一時的な曇りが発生いたします。
冒頭の近藤のサングラスと同様、冷房がしっかりと効いた涼しい空間から、
湿り気のある暑い屋外へ出た瞬間などに、この症状が起こる可能性がございます。
一時的な結露であれば、数時間で消えて元に戻ることも多いのですが、
いつまでも曇りが取れなかったり、水滴になっている場合はご注意ください。

内部に水気が留まり続けると、文字盤にシミが発生したり、針にサビによる腐食が発生するほか、
機械に使われるグリスが変質し、動作不良となる場合がございます。
もしガラスの曇りにお気づきになりましたら、無理にご自身で乾かそうとせず、
できるだけ早く、私どものような時計修理店へご相談ください。
裏蓋を開けて内部をしっかりと乾燥させ、必要に応じてパッキンの交換などを行うことで、
大切なお時計をサビや腐食から守ることができます。
本格的な夏を迎える前に、一度、お時計のガラスを気にかけていただき、
ご心配のない、快適な夏をお過ごしいただけますと幸いです。
以上でございます。

最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。


【近藤のひとこと】
冷房をつけますと、暖かく湿った空気がエアコン内部の冷却フィンに当たり、
温度が下がることで結露して、最終的に「水」として排出されます。
この原理により、空気中の湿気が取り除かれて、人はより快適に感じるようです。
わたくし近藤は、子供の頃、冷えたグラスに水滴がつくのを見て、
「部屋に大量の氷を置いたら、温度変化により湿度が下がるかもしれない」と考え
試しに大量の氷を置いてみましたが、湿度はほぼ変わらず、快適にはなりませんでした。
さきほど改めて調べてみたところ、その試みが失敗した原因は、
水分を部屋の外に排出していない、氷により逆に水分を持ち込んでいる、
空気を循環させていない、が考えられるようです…数年越しに勉強になりました。
しかし、冷房は腕時計にならぶ偉大な発明でございますね。

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冷たい空気と暖かい空気がぶつかるところに結露が生まれるように、
急激な環境の変化は、お時計にも、お客様のお身体にも負担をかけます。
季節の変わり目で、気温や気圧の変化が激しい時期でございますので、
どうかご無理をなさらず、ご自身のペースでゆったりとお過ごしください。
また近藤よりお便りいたします。

時計修理工房 近藤

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