第223号:進みの方が良い。

件名 :第223号 :進みの方が良い。
こんばんは、時計修理工房の近藤でございます。
いつもメールマガジンに目を通してくださり、誠にありがとうございます。
今夜のお便りを差し上げます。

お客様、唐突で恐れ入りますが、近頃「もう年末か」と思われませんでしたか。
脳の情報処理量の増減により、時間感覚が前後すると言われており、幼少期と比べますとほとんどの方が、
新たな発見や、学び、刺激が少なくなることから、年々時間の進みが早く感じるという錯覚をいたします。
新しい場所に訪れたり、知らない人に会う、新たな事に調整するなどで、時間経過の感覚は変わりますので、
たまには、普段行われないようなことに取り組まれても良いかと存じます。
さて本日は、進み寄りの誤差についてお話をいたします。

自動巻き、手巻きなどの機械式と呼ぶ時計に関しましては、遅れよりも進みの方が良いとされておりまして、
オーバーホール後は、個体差もございますので一概には申せませんが、日差±5秒から10秒に調整をして、
メンテナンス完了とさせていただきます。
なぜかと申しますと、機械に塗布する潤滑油に経年的な劣化が生じると、粘度が高くなり、硬くなることで、
お時計の動作に関わる歯車などの回転に負荷が掛かり、遅れが発生することが殆どでございます。
そのため、発生する遅れを加味して少し進みに調整することで、長く快適にご使用できるようにいたします。
しかし、事例としては少数でございますが、機械油の劣化により、振り子の役割を担うテンプと呼ぶ部品の、
動く角度が狭くなりましたり、衝撃などで、部品の可動域に不具合が発生することで、動作に大幅な進みが、
発生する場合もございます。

一日、30秒以上の進みが発生する場合は、不具合が発生している場合がございますので、一度点検などに、
お出しいただけますと良いかと存じます。
電池式のお時計につきましては、機械式と比べ、非常に精度が優れており、平均して1ヶ月に±20秒前後で、
特に誤差が少ないモデルでは、年差で±5秒でございます。
電池式も同様に、機械油が変質するなどの影響を受け、動作の遅れ、進みなどが発生する場合もございます。
その他に、機械に負荷が掛かることで消費電流が高くなり、電池がすぐに消耗し頻繁に停止してしまうなどの、
症状が10年、20年と長くご使用いただきますと、現れることがございます。
機械式、電池式問わず、動作の遅れや進みの症状が発生した場合は、何らかの修理やメンテナンスが必要で、
基本的には、オーバーホールと呼ぶ、機械の分解掃除を伴う作業を要します。
ご使用環境や、頻度、個体差にもよりますが、機械式の場合4年に1度、クォーツの場合10年前後に1度、
などと言われています。

弊社は、動作の遅れ、進みの修理も承りますので、お困りの際は是非、お問い合わせくださいませ。
以上でございます。

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

新しい場所に訪れる場合は、道中の交通情報などをお確かめの上、トラブルが無いようにお願いいたします。

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お風邪を引かれませんよう、ご自愛ください。

時計修理工房 近藤

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